市町村別

平成22年国勢調査結果速報値の地図化(その2)

Posted by kiri on 2011 年 2 月 25 日
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MMMを使うと、異なる2時点間のデータを、一方の時点に集計し直すのが簡単にできる。ちょうど手元に1970年、1980年、1990年、2000年の市区町村別の国勢調査人口のデータがあったので、2010年時点の市町村で集計し直して、今回の速報値といろいろ比較してみた。

MMMのパラメータは、A時点が各年の10月1日、B時点が2010年4月1日(10月1日までに合併等はない)、政令市の扱いは、「政令指定都市を1つの市で出力」、対応表の基準時点はA時点、出力形式は1対1。手順は次のとおり。

1.生成されたCSVをダウンロードして、JISCODE1のコードを使って、VLOOKUPで人口データをもってくる。
2.もってきた人口にWEIGHTを掛ける。
3.ピボットテーブルなどでJISCODE2を基準にWEIGHTを掛けた人口を集計すると完成。

各年について集計し直して、完成したデータを見ると、ちょっと面白い。

1970年から2010年の間の人口増加数上位20市

1970年から2010年の間の人口増加数上位20市

1970年から2010年までの40年間に、最も人口が増加したのは横浜市で、145万人(65%)増加。次に増加数が多いのは札幌市で、90万人増加して191万人になっている。増加率で見れば、比較的大きな都市では所沢市、柏市、八王子市、相模原市、町田市などが2~2.5倍程度になっている。今回96万人に達した千葉市は約2倍。

1970年から2010年の間の人口増加数下位20市

1970年から2010年の間の人口増加数下位20市

一方で、大きな減少数を示すのは大阪市(-31万人、-10%)、尼崎市(-10万人、-18%)など。室蘭市は6万7千人減少し、2010年の人口は1970年の6割弱になっている。減少数の上位は、このほか呉市、北九州市、小樽市、夕張市、大牟田市、長崎市、函館市など、多くが重厚長大型の産業(造船、製鉄など)を抱える都市であり、これらの衰退とともに人口が大きく減っている。

1970年から2010年の間の人口変動の小さい20市(人口規模降順)

1970年から2010年の間の人口変動の小さい20市(人口規模降順)

あまり変化がないのは、特別区部(10万人増加)で、1990年代ごろまでにかけて大きく減少したものの、その後急回復(2000年以降で81万人増加)している。京都市も、1970年の142万人から、148万人、146万人、147万人、147万人で、ほとんど変化なし。2010年の人口に対する、1970年、1980年、1990年、2000年のそれぞれの時点の人口の比が0.95~1.05の地域を取り出すと、人口規模の比較的大きいところで、京都市、東大阪市、岐阜市、いわき市などがある。こういった地域はどんなところなのだろうか。学生が多いとか(京都市や東大阪市)、産業構成のバランスがとれているとか、そういうあたりが特徴なのかもしれない。人口の年齢構成や産業などをしっかり調べれば面白そうだ(時間があればやるかもしれない)。

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平成22年国勢調査結果の速報値の地図化

Posted by kiri on 2011 年 2 月 25 日
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国勢調査結果の速報値が出たようだ。

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/kekkagai.htm

早速、ダウンロードして、MMM for Webを利用して地図化してみた。

2005年から2010年の市町村別人口増減(平成22年国勢調査結果速報値)

2005年から2010年の市町村別人口増減(平成22年国勢調査結果速報値)

大都市を中心に増加が顕著であり、仙台以北の東北地方ではほとんど減少している。また、四国での減少も著しい。基本的には、三大都市圏で顕著な増加が確認でき、特に東京大都市圏が著しい。また、その他の政令指定都市およびその周辺でも人口は増加傾向といえよう。近々政令市への移行が行なわれる熊本市とその周辺も同様の傾向である。ただし、新潟市や静岡市、浜松市では停滞気味となっている。

実数ベースの増減でみれば、区部の人口増加が46万人弱で最も多く、区部としては恐らく過去最高の人口である8,949,447人で、900万人目前となった。大都市では札幌市や福岡市の人口増加が依然として著しく、札幌は190万人を超えた。反対に、北九州市では人口減少が続き、千葉市との差がどんどん縮まっている。

より正確な人口増減の検討には、都市圏単位で見ていく必要があるが、そのためには従業地・通学地集計の公表まで待つ必要がある。

時間のあるときに、1970年からの40年間の市町村別の人口増減について、何か書く予定。MMMを使うと、時系列データの集計が簡単。さらっとデータを見て驚いたのは、札幌市の人口が過去40年で約2倍(100万人から190万人)になっていたり、大阪市の人口が30万人減っていたり、小笠原村の人口が782人から2,783人に激増していたり、といったところ。これも本当は都市圏単位でみるほうがよさそうではあるが。

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