2012 年 10 月 13 日の記事

Esri CityEngine 2012 つづき

Posted by kiri on 2012 年 10 月 13 日
GIS, Web, ロンドン, 地図 / No Comments

あるワークショップで発表があったり、いろいろと忙しくしていたので、久しぶりに更新。

この間、CityEngineの2012がリリースされたので、トライアル版をインストールして、Web Sceneの作成まで試行錯誤しながら挑戦してみた。

CityEngineのWeb Scene(Firefoxで表示)

CityEngineのWeb Scene(Firefoxで表示)

画像のように、とりあえずそれっぽい街の風景を作って、ArcGIS Onlineにアップロードして、ブラウザから閲覧するところまでは完成した。マニュアルが英語だけなので(トライアル版だからかも)、少々苦労したものの、Pythonあたりがわかる人であれば、比較的簡単にこの程度のモデルを作ることはできるのではなかろうか。いくつか苦労した点があったので、簡単なリストにしておきます。

  • 建物のフットプリント(平面図)として、Shapeファイルを読み込むことができるのは非常に便利なのだが、個々の建物ポリゴンをextrudeで3次元化した場合の前面の判定が自動でなされるので、前面だけ違うテクスチャをつけたり、見た目を変えたりするのが大変。そのロジックはマニュアルで解説されているので、今回は、ポリゴンを構成するセグメントのうち、道路縁に一番近いものを特定し、セグメントの配列を変えることで対応した。ArcGISでのこのような処理にはVBAを使っていたのだけれど、今はPythonがメインということで、今回初めてPythonを本格的に触った(要望があればスクリプトを公開するかもしれません)。
  • 道路の中心線と幅員のデータがなかったので、道路縁データから何とかして簡易に求めた。ArcInfoにはそんなツールがあった記憶があるが、手元にはArcViewしかないので、ラスタを駆使して何とか計算。交差点が怪しげな雰囲気になっているが、CityEngine側の処理でスムージングできた。ちなみに、道路のモデルは、サンプルの中で最も現代的そうであったフィラデルフィアのデータをそのまま利用したが、歩道のモデル・テクスチャが重いので、歩道は白いモデルだけにしている。
  • Web Sceneにエクスポートして、ArcGIS Onlineにアップロードすることは簡単なのだけれど、Web SceneはなぜかChromeでは動かなかった。Chromeでは、最初の動作確認やファイルダウンロード、展開まではうまく動作するものの、初期化中の表示のまま止まってしまう。いろいろと試行錯誤した結果、データが大きすぎることが原因かもしれないという予想は立てているが、実際のところどうなのかはよくわからない。ちなみに、Windows上のFirefoxとMac上のSafariでは問題なく動作する。Chrome(とChrome Frameを入れたIE)だけ、WindowsでもMacでも動いていない。データの問題ではあるだろうが、可能なら改善を期待したいところ。

というわけで、とりあえずひと通りの実験まではできたので、今のところ満足。

英国滞在もあと2週間を切ったけれど、日本(職場)でもCityEngineが使えるといいなあ。可能なら授業で見せたい。