2013 年 10 月 27 日の記事

GIS学会で発表予定だった話

Posted by kiri on 2013 年 10 月 27 日
GIS, Web, 学会発表(国内) / No Comments

相当間隔があいてしまった。それなりに忙しいのと、最近あまりphpとかjavascriptとかに触る機会がないもので・・・。

さて、本来であれば昨日、今日は地理情報システム学会(GIS学会)の大会で、慶應義塾大学の三田キャンパスにいるはずだったのだけれども、台風27号の接近を考慮して中止に。学会のウェブサイトに掲載された会長声明によれば、「今回に発表される予定であったポスターやセッション企画など、何らかの形で発信ができないか模索中でもあります。」とのことなので、今回発表予定だった内容も、どこかで公開できる場が設けられるのかもしれない。

せっかくなので、ここにパワーポイントを載せてもいいのだけれど、学会側の動きを待つことにして、とりあえず公開しても構わない、講演論文集のPDFをアップしておきます(著作権は学会側にあるけれど、本人が公開するのは構わないという規定がある)。

桐村 喬「位置情報付きツイッター投稿データにみるユーザー行動の基本的特徴―観光行動分析への利用可能性―」, 地理情報システム学会講演論文集22, 2013, (CD-ROM, 全4ページ).

内容は、タイトルの通り、位置情報(ジオタグ)がついたツイートから、ユーザーの行動を集計された形で把握し、観光行動の分析に活用してみようという趣旨。ユーザーの行動がある程度見えてしまうため、個人情報には一定の配慮が必要であるものの、土日にツイートが多くなったり、居住地(生活圏)による京都での観光行動の違いなど、理にかなった結果が出てくることを考えると、観光行動の分析にも十分活用できそう。NTTドコモがモバイル空間統計を出して、活用方法を模索しているけれど、一定の制約がある。一方でツイートに関しては、アカウントを取得して、簡単なスクリプトを作成すればデータを取得できるので、誰でも比較的簡単に分析できるところがメリット。ツイート(かつ位置情報を付ける)のタイミングに依存するので、モバイル空間統計よりも時間的、空間的にかなり粗いところはデメリットであるものの、全体で見れば日常的な動きをある程度読み取ることができる。日常的な動きとして把握できる空間的な範囲は、都市圏や都道府県レベルが限度で、大都市圏では沿線ぐらいを判別できないこともない程度。自ら積極的に位置情報を発信しているユーザーでない限り、ピンポイントで自宅や立ち寄り先を把握することはできないので、その点を心配される方はご安心を。

ちなみに、ツイートに位置情報を付ける機能はデフォルトではオフらしいです。オン・オフの方法については、こちらを参照のこと。

ついでに告知。GIS NEXT 45号に、日本地理学会の記事ではあるものの、今回のツイートデータを使った図を少し載せさせていただきました。興味のある方は書店・Amazon等でご購入を(そろそろ発売のはず)。