地図

ArcGIS Explorer Onlineの使い方 その2

Posted by kiri on 2012 年 6 月 23 日
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前回は地図のインポートまで。今回はその続きで、ポイントを人口規模で塗り分けた階級区分図の作り方について。

色分けした階級区分図を作る

1. 「レイヤ」画面を表示する

画面左上の縦長のツールボックスのうち、上から2番目の「レイヤ」をクリックする

レイヤのリストが表示される(最初からある「メモ」「Topographic」とインポートした「sample」がある)

2. 「表示の構成」画面を表示する

「sample」の右にある>をクリックして、「レイヤの詳細」画面を表示する

「表示」の「構成」をクリックして、「表示の構成」画面を表示する

3. 記号の表示方法を選ぶ

「単一シンボル▼」をクリックすると、シンボル(記号)の表示方法を選択できる

ここでは、「色を使用した分類」を選択する

4. 2010年の人口規模別に記号を塗り分ける

「属性」は記号で表現したい指標(変数)。「次の方法で分類」は階級区分(1~10、11~20のような区切り)の方法。「クラス数」は区分の数。

属性:「POP2010」を選ぶ

次の方法で分類:「自然分類」を選ぶ

クラス数:「8」にする

こんな地図になる

5. 塗り分ける色、記号を調整する

「表示の構成」画面の一番下の「すべてのシンボル」をクリックし、以下の画面を表示する

この画面のうち、最初の5つの記号のうちのいずれかをクリックし、「シンボル サイズ」を6にして、左上の「←」をクリックする

「表示の構成」画面の真ん中の「カラーランプ」をクリックして、以下の画面を表示する

いずれかをクリックして、左上の「←」をクリックする

再度、「すべてのシンボル」をクリックして、「アウトライン色」を黒色、「幅」を1にして、左上の「←」をクリックする

地図の完成(クリックすると拡大できます)

ArcGIS Explorer Onlineで作った地図

次回は記号のサイズで人口規模を示す表現などについて。

ArcGIS Explorer Onlineの使い方 その1

Posted by kiri on 2012 年 6 月 17 日
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ArcGIS Explorer Onlineに限らず、今はEsri製品の詳細なヘルプをウェブ上で見ることができる(Explorerはこちら)。なので、使い方をここで紹介してもそれほど意味はないのだけれど、せっかく授業用に作ったので、多少手直ししながらここにも載せたい。なお、この使い方は、主にGIS初心者(ほぼ触ったことがない人)で、多少PCを操作できる人を想定している。今日の記事は地図のインポートまで。

ArcGIS Explorer Onlineについて

ArcGIS Explorer Onlineはウェブブラウザ上で動作するGISソフトウェアなので、マイクロソフトのSilverlight(4.0.60310.0以上)がインストールされていれば、WindowsでもMacでも動作する。無料で利用でき、Esriグローバルアカウントを作成すると、地図やデータを保存できる。

1. ArcGIS Explorer Onlineにアクセスする

リンクをクリックするか、Googleなどで「ArcGIS Explorer Online」と入力して検索し、ArcGIS Explorer Onlineにアクセスする。

2. 「新規マップ」をクリックして、新しい地図を作成する

 3. 新しい地図が表示されるので、操作に慣れる

基本的には、Googleマップなどと操作方法は同じで、マウスをドラッグすれば移動できるし、ホイールを前に回せばズームイン、後ろに回せばズームアウトになる。

4. 新しいコンテンツとして、データをインポートする

サンプル用のデータをダウンロードする

サンプル用データ(sample.csv

余談:このデータは、以前の記事で紹介した、国勢調査ベースの市町村別の1970年~2010年の人口データに、MMMの地図データから求めた重心点の経緯度を付与したもの。CSV形式で、エンコードはUTF-8にしている(現時点ではSJISに対応していない)。データの作り方や、そのために必要なプログラム(ポリゴンデータから重心点を計算するプログラム)はのちのち公開予定。なお、ArcGIS Explorer Onlineでは、1,000レコード以内のデータしか読み込めないので、このサンプルデータはのみのもの。

上部のツールバーの左のほうにあるボタンのうち、一番右にある「コンテンツの追加」ボタンをクリックする

 コンテンツの追加ウィンドウが表示されるので、「インポート」をクリックし、さらに「csv」をクリックする

データのインポートウィンドウが表示されるので、「参照ファイル」をクリックし、ダウンロードしたsample.csvを選択して、「開く」をクリックする

下のボックス内にデータが表示されれば、「次へ」をクリックする

読み込まれたデータの情報が表示されるので、xの列の一番下が「経度」、yの列の一番下が「緯度」になっていることを確認して「インポート」をクリックする

 インポートに成功すると、各市の位置にデフォルトのピンが表示される

今日はここまで。次回は地図の色分けなど表現方法について。

ArcGIS Explorer Online

Posted by kiri on 2012 年 6 月 13 日
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少し前にArcGIS Onlineのことを紹介した。今度はArcGIS Explorer Online(以下、Explorer)について。

Explorerは、ArcGIS Onlineよりも、もう少しGIS寄りのウェブアプリケーション。クエリができたり、形状の編集・加工ができたり。CSVやシェープファイルがインポートできるので(これはExplorerでなくてもできる)、今持っているGISデータを使って、いろいろなことができる。

ただし、まだ日本語に十分対応しておらず、日本語で住所検索はできないし、日本語を属性に含むシェープファイルは読み込めても文字化けする。UTF-8で保存したCSVなら読めるので、日本語を含むデータのインポートは、現状ではCSV経由のみで、必然的にポイントデータのみになる(CSVでポリゴンを表わすのは難しい)。

それでも、Explorerはかなり操作が簡単だし、Silverlightさえ入っていれば基本的に動作するので、あまり環境を選ばず(WindowsでもMacでも可、うちの大学のPCにも運よくSilverlightが入っていた)、誰でもどこでも操作できるGISアプリケーションになっている。というわけで、今日、大学の授業で使ってみた。地理学専攻の学生というわけではないので、基本的にGISは初めて触る人が多かったはずだが、あまり多くない時間でもみなさん地図を作ってくれたし、Explorerの感想を聞いても思ったより反応がよかった。

Explorerは、GISで楽しく簡単に地図を描く、導入部分の授業あるいはセミナーなどの場にはちょうどいいのではないだろうか。日本語のシェープファイルが正常に読み込めるようになれば、もう少しアドバンストな授業でも使えそうだ。Esriのグローバルアカウントを作れば、作った地図を保存できるので、前に紹介したAndroidやiOSのアプリから地図を閲覧することもできる(編集できるかは不明)。フィールドワークやゼミのような授業で、各自でExplorerで地図を作ってもらって、それをフィールドワークや巡検の際にみんなで見ながら歩くとか、そういう活用ができそうな気がする。ArcGIS Explorer Onlineの今後の改良が楽しみだ。

論文の地図を描く

Posted by kiri on 2012 年 5 月 30 日
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以前、いろいろなAPIを組み合わせて、Ronbun Plotterという怪しげなサイトを作ったけれど、まだAPI等の部分が動いているようなので紹介。

http://www.tkirimura.com/ronbunplotter/

Ronbun Plotterの画面

Ronbun Plotterの画面(「郊外 高齢化」で検索)

何ができるサイトかというと、どんな地域を対象にした論文が、いつ、どれくらい発表されたかを、地図とタイムラインで表示するというもの。例えば、「桐村喬」と入れてみると、これまでの私の論文の対象地域(基本的に大阪と神戸と京都)がプロットされる。タイムライン的には、2005年ぐらいから。論文の情報はCiNiiのもので、1. CiNiiのAPIを使って入力したキーワードが該当する論文が取得され、2. 各論文のタイトルに含まれる地名がYahooのAPIで抽出され、3. 地図とタイムラインにプロットされる、という処理の流れになる。

処理速度はかなり遅いので(いろんなAPIを挟んでいるので)、あまりたくさんの結果が出るようなキーワードは入れないほうが安全。

タイムラインを見るだけでも、どんなキーワードがどの時代にたくさん取り上げられているかということがなんとなくわかる。地理学的な研究テーマなら、タイトルに特定の地名が含まれることが多いので、どういう地域で研究が多くなされているか、ということもわかる。ただし、地名抽出の精度はそれほどよくなく、間違っていることも多々あるので要注意。もう少しいい精度のものを自前で開発するとかすればいいのだけれど・・・。

なお、地名が英語なのは、ロンドンにいるときに少し編集して、向こうの同僚に見せようとした(少し見せた)ため。地名抽出など、改良することができたら、ついでにそのあたり修正します。

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ArcGIS Onlineで京都市明細図を見る

Posted by kiri on 2012 年 5 月 25 日
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さて、ArcGIS Onlineの続き。今日、ArcGIS Online上で作成していた『京都市明細図』のマップを公開した。

URLはこちら

京都市明細図 on ArcGIS Online

京都市明細図 on ArcGIS Online

京都市明細図は、京都府立総合資料館が所蔵している大縮尺(1,200分の1)の地図で、一昨年から立命館大学(文学部・矢野桂司教授を中心とするグループ)とデジタル化などに関する共同研究が進められてきた。京都市明細図は、昭和初期に作成され、戦後にも情報が書き加えられているなど、戦前・戦後の時期の京都の状況が反映された貴重な地図で、これまでに研究グループでは、ワークショップなどを開催してきた。

ちなみに、すでにGoogleマップ上に明細図を表示するサイトも公開されている(http://www.geo.lt.ritsumei.ac.jp/meisaizu/googlemaps.html、これは同僚の瀬戸寿一氏によるもの)。こちらは、PCでの閲覧が中心かもしれない。

直前の記事にもあるように、ArcGIS Online上で公開すると、iPadやAndroid端末のArcGISアプリを使って、地図にアクセスすることができる。京都市明細図も、もちろんiPadなどからアクセス・表示できるので、ぜひ利用していただきたい。GPS付きのAndroid携帯電話で見るのがオススメです。

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自然堤防をGoogleマップで見る

Posted by kiri on 2012 年 5 月 5 日
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またまた授業のはなし。前回の授業で自然堤防の話をした。時間と資料の関係で、自然堤防の実例の紹介ができなかった。今日、ふとGoogleマップを見ていたら、ちょうど良い場所があったので紹介。


大きな地図で見る

場所は、越後平野のなかの新潟市と燕市の間ぐらいの地域。西(左)のほうを南北に走る県道383号沿いの集落は自然堤防上にある。国土地理院の2万5千分1地図情報閲覧サービスで見ると、自然堤防上は集落があり、畑も点在している。これは水はけがよいため。一方で、圃場整備されているものの後背湿地の土地利用はほぼ水田。この周辺は、都市化がそれほど進んでいないので、自然堤防を見つけるのが比較的簡単。題材としてはちょうどよかったかもしれない。

今更ながら、Googleマップは、授業でもいろいろ使えて便利。今回の場所は、解像度も比較的良く、色合いもちょうどいい感じで、自然堤防が一目瞭然でよかった。授業中も、津南町の河岸段丘とか、室戸岬の海岸段丘とかをGoogleマップの航空写真や地形レイヤを使って紹介した。ただし、地域によっては雪景色だったり(以前、福井の中心市街地は冬の航空写真で、白黒写真のようだった)、すぐ隣の地域で季節が違ったり、解像度が違ったりするので、すべての場所で使いやすいわけでもない。地形の分類ごとに、代表的な地域のGoogleマップへのリンク集とかがあると便利な気がするが、いつの間にか航空写真が更新されてしまうこともあるのでちょっと大変だろうな。Wikipediaのようなシステムがいいかもしれない。

地形図の色塗り

Posted by kiri on 2012 年 4 月 27 日
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先週の講義で、地形図の色塗りをした。きっちり色塗りをするのは久しぶりのような気がするけれど、けっこう楽しくて熱中してしまった。せっかくなので、色鉛筆で塗りかけのものの画像を載せます。

草津駅周辺の土地利用の塗り分け(1960年代終わりの状況)

草津駅周辺の土地利用(1960年代終わり)

草津駅周辺の土地利用の塗り分け(1990年代半ばの状況)

草津駅周辺の土地利用(1990年代半ば)

上は1960年代終わりの状況(国土地理院発行2万5千分1地形図「草津」(昭和46年発行)より)。下は1990年代半ばの状況(国土地理院発行2万5千分1地形図「草津」(平成9年発行)より)。ただし、どちらもスケールバーは入れていないし、倍率も適当なので、正しい距離を測ることはできない(本当は必要だけど、こういう場なので割愛しました)。

黄色は水田、赤線は市界、赤(面)は工場、青は水域。色を塗っているのは草津市内が中心なので、少し塗っていない部分がある。

水田が減少して市街地が広がったのが一目瞭然。また、天井川で知られる草津川は、どちらの図でも健在だが、下図の時点では新しい草津川が造られつつあった(現在はすでに完成)。駅前の工場(綾羽紡績)はなくなり、ショッピングセンターになっている(エイスクエア)。ほかの工場もいくつか消滅している。西草津二丁目にあった立石電機はオムロンに変わっている。鉄道も微妙に変わっていて、草津線(草津駅から東方向に分岐する路線)も経路が変わっている。

本当は、授業でもう少し新しい地形図を使いたかったのだけれど(平成9年発行なので、かなり古い)、「草津」の図幅に関しては平成10年発行のものが最新で、最近の地形図はなかったのであきらめた(すぐ南の「瀬田」については新しいものがある)。今の草津はもっと変わっているので、新しいものが出れば色塗りしてみたい。

 

ちなみに、これは投石器、ではなくて鉛筆削り。色鉛筆を削るのに大活躍。買ったのは英国ワイト島にあるCarisbrooke Castleの売店。最初は投石器のおもちゃとしか思わなかった(笑)。鉛筆削りの機能に気が付いたのはたぶん日本に帰ってから。結局は役に立ったのでよしとしよう。

MMMの更新

Posted by kiri on 2011 年 7 月 10 日
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MMMのデータを2011年10月1日まで対応できるように更新。

http://www.tkirimura.com/mmm/

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平成22年国勢調査結果速報値の分析(大阪市)

Posted by kiri on 2011 年 3 月 21 日
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東北関東大震災の影響があったり、3月末に出る本の校正作業があったりして、ちょっと忙しくしていたら、大阪市のウェブサイトに、平成22年(2010年)国勢調査結果の小地域集計結果が公表されていた。

http://www.city.osaka.lg.jp/shisei_top/category/1756-4-1-4-0.html

1995年から2005年のデータも公表されているので、それらを簡単に分析・地図化してみた。

大阪市町丁目別人口増加数(1995~2010年)

大阪市町丁目別人口増加数(1995~2010年)

1995年から2010年の間の人口増加数

市全体からみれば、環状線の内側および市の北半分での増加が顕著である。この間に、いわゆる人口の「都心回帰」現象を受け、市の人口は6万人ほど増加している。特に西区(堀江などの都心寄り)、福島区、西淀川区、淀川区などで増加している。なかには、都島区善源寺町2丁目や城東区今福西6丁目、此花区島屋6丁目など、3千人以上の増加があった地区もある。これらの人口激増地区は、工場や倉庫等があった大きな土地に大規模マンションが建設された地区であり、2005年時点では人口が0であった此花区島屋6丁目の人口は、2010年には3,164人となっている。

一方で、人口の減少は、東淀川区や生野区、西成区、大正区、住之江区の南港などで顕著である。住之江区南港のうち、ポートタウンの中心をなす南港中2~5丁目の人口は軒並み減少を示し、合わせて7千人ほど減少した。入居開始から30数年が経過し、子供の独立や高齢化の急速な進行が人口減少の原因と考えられる。

5年ごとの人口増加率(1995~2010年)

大阪市町丁目別人口増加率(1995~2000年)

大阪市町丁目別人口増加率(1995~2000年)

大阪市町丁目別人口増加率(2000~2005年)

大阪市町丁目別人口増加率(2000~2005年)

大阪市町丁目別人口増加率(2005~2010年)

大阪市町丁目別人口増加率(2005~2010年)

次の図は、それぞれの期間の人口増加数を期首年次の人口で割った人口増加率を示している。基本的な傾向は、人口増加数の場合とそれほど変わらない。やはり環状線の内側を中心として人口増加が顕著である。興味深いのは、2000年代以降に、それまで人口の減少が著しかった中央区の西部で人口増加に転じた点である。期首年次の人口が少ないため、増加数としてはそれほど多くはないと考えられるが、大阪の中心業務地区(CBD)の中核をなす、淀屋橋から本町にかけての御堂筋沿いでの人口増加は注目に値しよう。古賀(2007)が1990年代後半の京都に関して報告したように、オフィスからマンションへの土地利用の転換が進んでいるのかもしれない。

現在、日本の六大都市(東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸)に関して1920年の第1回国勢調査から1990年の国勢調査までの小地域統計のデジタル化も進めているので、それと合わせて、数十年のスパンで変化をみると、都市内部での人口増減の空間的なサイクルなどが見えてくるものと考えられる。少なくとも大阪市には関しては今年度中にデータの整理を終えることができるので、町丁目の変更に注意しながら、今後、分析・地図化を試みたい。

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平成22年国勢調査結果速報値の地図化(その2)

Posted by kiri on 2011 年 2 月 25 日
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MMMを使うと、異なる2時点間のデータを、一方の時点に集計し直すのが簡単にできる。ちょうど手元に1970年、1980年、1990年、2000年の市区町村別の国勢調査人口のデータがあったので、2010年時点の市町村で集計し直して、今回の速報値といろいろ比較してみた。

MMMのパラメータは、A時点が各年の10月1日、B時点が2010年4月1日(10月1日までに合併等はない)、政令市の扱いは、「政令指定都市を1つの市で出力」、対応表の基準時点はA時点、出力形式は1対1。手順は次のとおり。

1.生成されたCSVをダウンロードして、JISCODE1のコードを使って、VLOOKUPで人口データをもってくる。
2.もってきた人口にWEIGHTを掛ける。
3.ピボットテーブルなどでJISCODE2を基準にWEIGHTを掛けた人口を集計すると完成。

各年について集計し直して、完成したデータを見ると、ちょっと面白い。

1970年から2010年の間の人口増加数上位20市

1970年から2010年の間の人口増加数上位20市

1970年から2010年までの40年間に、最も人口が増加したのは横浜市で、145万人(65%)増加。次に増加数が多いのは札幌市で、90万人増加して191万人になっている。増加率で見れば、比較的大きな都市では所沢市、柏市、八王子市、相模原市、町田市などが2~2.5倍程度になっている。今回96万人に達した千葉市は約2倍。

1970年から2010年の間の人口増加数下位20市

1970年から2010年の間の人口増加数下位20市

一方で、大きな減少数を示すのは大阪市(-31万人、-10%)、尼崎市(-10万人、-18%)など。室蘭市は6万7千人減少し、2010年の人口は1970年の6割弱になっている。減少数の上位は、このほか呉市、北九州市、小樽市、夕張市、大牟田市、長崎市、函館市など、多くが重厚長大型の産業(造船、製鉄など)を抱える都市であり、これらの衰退とともに人口が大きく減っている。

1970年から2010年の間の人口変動の小さい20市(人口規模降順)

1970年から2010年の間の人口変動の小さい20市(人口規模降順)

あまり変化がないのは、特別区部(10万人増加)で、1990年代ごろまでにかけて大きく減少したものの、その後急回復(2000年以降で81万人増加)している。京都市も、1970年の142万人から、148万人、146万人、147万人、147万人で、ほとんど変化なし。2010年の人口に対する、1970年、1980年、1990年、2000年のそれぞれの時点の人口の比が0.95~1.05の地域を取り出すと、人口規模の比較的大きいところで、京都市、東大阪市、岐阜市、いわき市などがある。こういった地域はどんなところなのだろうか。学生が多いとか(京都市や東大阪市)、産業構成のバランスがとれているとか、そういうあたりが特徴なのかもしれない。人口の年齢構成や産業などをしっかり調べれば面白そうだ(時間があればやるかもしれない)。

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